バーチャルオフィスとは|登記・銀行口座・許認可で気をつけること
バーチャルオフィスは、事務所の部屋を借りずに、住所だけを借りるサービスです。自宅の住所を出したくない人や、固定費を抑えて開業したい人がよく使います。この記事では、できることと、登記・銀行口座・許認可で気をつけたい点をまとめます。
バーチャルオフィスでできること
サービスによって違いますが、多くのバーチャルオフィスでは次のことができます。
| できること | 内容 |
|---|---|
| 住所の利用 | 名刺・Webサイト・請求書などに、借りた住所を書ける |
| 法人登記 | 借りた住所を会社の本店所在地として登記できる(できないプランもある) |
| 郵便物の受け取りと転送 | 届いた郵便物を受け取り、決まった間隔でまとめて転送してくれる |
| 電話番号(オプション) | 電話の転送や、オペレーターが代わりに電話を受けるサービス |
実際の仕事は自宅やカフェなどでして、外に出す住所だけをバーチャルオフィスにする、という使い方が一般的です。
契約のときに本人確認がある
住所を貸して郵便物を受け取るサービスは、犯罪収益移転防止法で「特定事業者」に当たり、契約のときに本人確認(取引時確認)をすることが決まっています。そのため、申し込みのときは身分証明書の提出を求められます。法人で契約するときは、会社についての書類も求められます。
法律の条文はe-Gov法令検索(犯罪による収益の移転防止に関する法律)で読めます。
法人登記で気をつけること
会社の本店所在地は登記されるので、登記事項証明書を取れば誰でも見られます。自宅を本店にすると、自宅の住所が出ることになります。バーチャルオフィスの住所で登記すれば、本店所在地として出るのはその住所です。
- 登記ができるかどうかはプランで違います。申し込む前に「法人登記可」となっているか確かめてください
- 同じ住所に同じ名前の会社がすでに登記されていると、その名前では登記できません。住所を借りる人が多い場所では、会社名を決める前に確かめておくと安心です
- 代表者の住所も登記されます。株式会社の場合は、2024年10月1日から、要件を満たせば代表取締役などの住所の一部を表示しない申し出ができるようになりました(法務省 代表取締役等住所非表示措置)
銀行口座で気をつけること
法人の銀行口座は、作るときに金融機関の審査があります。事業の実態が分かる資料(事業の内容が分かるWebサイト、契約書、事業計画など)を求められることがあるので、早めに用意しておくと進めやすくなります。
バーチャルオフィスの中には、口座を作った実績がある金融機関を案内していたり、銀行と連携して口座開設を紹介していたりするところもあります。申し込む前に、公式サイトやよくある質問で確かめておくと安心です。
許認可がいる業種は事前に確認
業種によっては、許可や登録を受けるときに、実際に使える事務所や設備があることが条件になっていることがあります。バーチャルオフィスの住所では条件を満たせないこともあるので、許認可が必要な事業を始める場合は、申し込む前に窓口になる役所に確かめてください。
選ぶときの確認点
申し込む前に見ておくこと
- 法人登記に使えるか(使えるプランはどれか)
- 郵便物の転送の頻度と、転送の送料がかかるか
- 宅配便など、郵便物以外の荷物を受け取ってもらえるか
- 月額のほかに、入会金や年会費、保証金がかかるか
- 年払いのみか、月払いもできるか。途中で解約したときの扱い
- 電話番号が必要なら、転送電話や電話代行をつけられるか
具体的なサービスの料金と特徴は「バーチャルオフィスの比べ方」で、住所がどこに出るのかは「自宅の住所を出さずに開業する方法」でまとめています。