特定創業支援等事業とは|会社設立の登録免許税が半額になる証明書の取り方
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会社を作るときにかかる登録免許税は、株式会社なら最低15万円、合同会社なら最低6万円です。これを半額にできるのが、市区町村の「特定創業支援等事業」で受け取る証明書です。この記事では、証明書で受けられる優遇、受けられる人、取るまでの流れと期間、気をつける点を、渋谷区と川崎市の公式ページ(2026年10月時点)をもとに整理します。
特定創業支援等事業とは
産業競争力強化法にもとづいて、市区町村がつくった創業支援の計画を国が認定する仕組みがあります。その計画の中で、経営・財務・人材育成・販路開拓の知識が身につくように続けて行う支援(セミナーや個別相談など)が「特定創業支援等事業」です。
決められた回数や期間の支援を受け終えると、市区町村に申請して「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」を出してもらえます。この証明書があると、次の章の優遇が受けられます。
支援の中身や回数、申請の条件は市区町村ごとに違います。実際に受けるときは、本店を置く予定の市区町村のページを必ず確かめてください。
出典:川崎市 特定創業支援等事業について(2026年10月時点)
証明書で受けられる優遇
| 優遇 | 中身 |
|---|---|
| 会社設立の登録免許税 | 資本金の0.7%が0.35%に。最低額は株式会社が15万円から7万5千円に、合同会社が6万円から3万円に |
| 創業関連の信用保証 | ふつうは事業を始める2か月前(個人事業は1か月前)からのところ、6か月前から申し込める |
| 日本政策金融公庫の融資 | 「新規開業・スタートアップ支援資金」の貸付利率の引き下げの対象になる |
| 小規模事業者持続化補助金 | 「創業型」(補助上限200万円・補助率3分の2)の対象になる |
登録免許税の軽減は、渋谷区のページによると令和9年3月31日までの特例です。
公庫の利率の引き下げは、川崎市のページによると、以前は対象外で、令和8年3月2日から対象になりました。保証や融資の審査、補助金の採択は、それぞれふだんどおりに行われます。証明書があれば必ず通る、というものではありません。
川崎市のページでは、証明書は「支援を受けたことの証明書」で、補助金の「補助対象者であることの証明書」ではない、と書かれています。持続化補助金は、募集の回や時期を事務局で確かめてから準備します。
出典:川崎市 特定創業支援等事業について、渋谷区 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書について(2026年10月時点)
受けられる人
渋谷区・川崎市とも、対象はこれから創業する人と、創業してから5年未満の人です。個人事業として始めて、あとから法人にした人は、個人事業を始めた日から数えます。
川崎市のページでは、すでにある会社を続けながら2社目を立ち上げる人と、事業を引き継いだ人は対象外と書かれています。
支援を受けられる人の条件は市区町村ごとに違います。たとえば渋谷区は、令和8年6月1日から、セミナーを受けられる人を、6か月以内に渋谷区で創業する具体的な計画がある人、本店や事業所が渋谷区にある人、代表者が渋谷区に住んでいる人に絞っています。
登録免許税を半額にするときの注意
いちばん使われる優遇ですが、条件が細かいので、会社を作る前に確かめておきます。
- 会社を作る前に証明書を取る。設立の登記のときに、証明書の原本を法務局に出します。登記を済ませたあとからは使えません
- 証明を受けるのは、発起人で、かつ代表者になる人。会社法上の発起人で、設立する会社の代表者になる個人が証明を受けます
- 本店を置く市区町村の証明書を使う。川崎市のページでは、川崎市の証明書でほかの市区町村に会社を作る場合は、この優遇は受けられないと書かれています
- 対象は設立の登記だけ。役員の変更など、設立以外の登記は軽くなりません
- 株式会社と合同会社が対象。川崎市のページでは、登録免許税が軽くなるのは株式会社と合同会社の設立と書かれています
保証の前倒し、公庫の利率、持続化補助金の創業型は、川崎市の証明書でほかの市区町村で創業する場合でも対象になる、と川崎市のページに書かれています。登録免許税だけが、本店の場所と結びついている点に気をつけます。
証明書は、渋谷区の場合、支援を受け終えた最終日から1年以内に申請でき、有効期限は証明日から1年(創業から5年がたつ日のほうが早ければその日まで)です。
登録免許税そのものの金額や、ほかにかかる設立の費用は「合同会社と株式会社の違い」と「会社設立0円のしくみ」にまとめています。
取るまでの流れと期間(アントレサロンの例)
特定創業支援等事業は、市区町村の窓口や商工会議所のほか、市区町村と連携した民間の事業者が行っていることもあります。東京・神奈川・埼玉にあるアントレサロンは、新宿区・渋谷区・横浜市・川崎市・さいたま市にある施設で、この事業を行っています。
- 好きなときに見られるオンラインのセミナーを4回受ける(1回1時間ほど・週に1回ずつ届く)
- 本人確認のオンライン面談を1回受ける
- アントレサロンから修了証が届く(申し込みから3週間。川崎市は4週間)
- 市区町村に申請して証明書をもらう(1週間ほど)
全部で最短でも1か月ほどかかり、セミナーを一度にまとめて見て早く終えることはできません。会社を作る日や融資を申し込む日から逆算して、早めに始めます。
費用は、アントレサロンを利用している人(バーチャルオフィスプランを含む)は無料、利用していない人は16,500円(税込)です。登録免許税を半額にしたい場合は、会社の株主で、かつ代表者になる人が面談を受けます。
申請できる条件は市区町村ごとに違い、アントレサロンの案内では次のように書かれています。
| 市区町村 | 申請できる人 |
|---|---|
| 新宿区 | 新宿区で創業済みの人 |
| 渋谷区・横浜市・さいたま市 | その市区で起業済みか、そこに住んでいる人 |
| 川崎市 | どこで創業していても申請できる(セミナーに4週間かかる) |
登録免許税を半額にしたい場合は、会社の本店を登記する場所の市区町村を選びます。融資の審査や補助金の申請の手伝いは行っていない、とも書かれています。
出典:アントレサロン 創業支援等事業計画(2026年10月時点)
まとめ
- 特定創業支援等事業を受け終えて証明書をもらうと、会社設立の登録免許税が半額になる
- 保証の前倒し、公庫の利率の引き下げ、持続化補助金の創業型の対象にもなる。審査はふだんどおり
- 登録免許税に使うなら、会社を作る前に、本店を置く市区町村の証明書を、発起人で代表者になる人が取る
- 取るまでに最短でも1か月ほどかかる